福井と沖縄、原発と基地のニュースサイト

交通障害で最大3.6倍 原発災害時の避難時間、学会試算

  • 2016年7月17日
  • 09:48
  • Twitterでシェア0
  • Facebookでシェア0
  • Google+でシェア0
  • 0
道路機能低下による全住民の避難時間への影響
道路機能低下による全住民の避難時間への影響

 全国15原発で過酷事故と地震などによる複合災害が発生した想定で、原発30キロ圏内の全住民が圏外に車で一斉に避難した場合の所要時間を交通権学会の上岡直見会長(法政大非常勤講師)が16日までに試算した。土砂崩れや地割れなどで通行機能が10%低下すると、移動完了までの所要時間は、最も長い原発で通常の3・6倍かかることが分かった。

 上岡会長は「熊本地震では、県が防災計画で緊急輸送道路に指定した主要な道路でさえ多数の通行支障が生じた」と指摘。原発周辺地域では複合災害を想定した対策が急務だ。

 30キロ圏は、自治体に避難計画の策定が義務づけられた範囲。試算によると、所要時間が最長だったのは国内で唯一稼働中の九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)で、道路機能に低下がない通常時が22時間20分、10%低下時が3・6倍の81時間10分だった。

 試算は東京電力福島第1、第2原発を除いた全国15原発を対象に行った。関係自治体が出している避難時間の試算をベースに、周辺道路の車線数や延長距離、30キロ圏内の人口などから、道路機能の低下割合(ゼロ、5%、10%)に応じて30キロ圏外に移動を終えるのにかかる時間を計算した。

 川内以外の通常時と10%低下時の所要時間をみると、中部電力浜岡原発(静岡県)が20時間10分に対し3倍の60時間20分、関西電力大飯原発が7時間30分に対し1・5倍の11時間、中国電力島根原発(島根県)が20時間50分に対し3・3倍の69時間30分などとなった。

 試算は、個別の道路事情は考慮していない。実際の事故時に想定される条件とは必ずしも一致しないが、上岡会長は「試算結果から大まかな傾向はつかめる。原発近くの道路は大部分が片側1車線。1カ所でも損傷すれば避難に与える影響は大きい」と話している。



 原発事故の避難時間試算 原発事故時に住民避難にかかる時間を、人口分布や道路条件などから算出するシミュレーション。原発の立地自治体や周辺自治体は、住民のマイカー利用率など詳細な条件設定をした試算を実施している。渋滞が見込まれる交差点を特定したり、避難ルートを選定したりして、より実効性の高い避難計画の立案に活用される。


基地 from 沖縄 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

基地 from 沖縄 カテゴリーニュース