福井と沖縄、原発と基地のニュースサイト

検証の幕引き図る東京電力 「立地軽視」に募る不信 

  • 2016年7月3日
  • 10:35
  • Twitterでシェア0
  • Facebookでシェア0
  • Google+でシェア0
  • 0
新潟県の柏崎刈羽原発を背景に、同県の泉田裕彦知事(右)と東京電力の広瀬直己社長のコラージュ
新潟県の柏崎刈羽原発を背景に、同県の泉田裕彦知事(右)と東京電力の広瀬直己社長のコラージュ

 福島第1原発事故の炉心溶融隠蔽(いんぺい)問題を巡り、背景と推認された事故当時の首相官邸の指示に誰が関与したのかを解明せず、幕引きを図る東京電力。追究の場は、新潟県技術委員会との合同検証委員会に移るが、経営再建の鍵と位置付ける柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働を優先するような姿勢に、現地関係者は冷ややかな目を向けている。

 ▽「口先だけ」

 「過去と決別し、再び原子力事業を担える存在と認めてもらえるよう取り組む」。東電が設置した第三者検証委員会の報告書を受け取った広瀬直己社長の発言には「検証は終わりで、再稼働に本格的に乗り出す」との意図が透ける。炉心溶融隠蔽問題の発覚は柏崎刈羽原発を抱える新潟県が福島事故の検証を求めたことが契機だったが、同県幹部は「真相を明らかにしないまま『納得しろ』と言われている印象で、福島だけでなく新潟への軽視だ。東電は何も変わっていない」と憤る。

 東電は福島事故前もトラブル隠しを繰り返してきた。2002年には柏崎刈羽、福島第1、第2の各原発で炉心隔壁のひび割れを隠して運転を続け、自主点検記録を改ざんしていたことなどが発覚。07年には柏崎刈羽で、緊急炉心冷却装置関連のポンプ故障を隠して定期検査に合格していたことや原子炉緊急停止の隠蔽などが明るみに出た。

 発覚のたびに「二度と繰り返さない」と反省を口にしてきた東電。しかし、新潟県幹部は「いつも口先だけ」と話す。

 ▽前のめり

 東電には、福島事故に伴う多額の賠償と除染費用が重くのしかかる。原発は停止し、火力発電に頼る中、柏崎刈羽6、7号機が再稼働すれば年間約2千億〜3千億円の燃料費が削減できるとの試算もあり、東電はさまざまな準備を進めていく。

 13年7月には、新規制基準が施行されると真っ先に原子力規制委員会の審査を申請しようとしたものの新潟県の泉田裕彦知事に反対され断念。だが、安全対策に関する協議継続を約束することで、約3カ月後、申請にこぎ着けた。

 15年6月からは同県内で、原発の安全対策をアピールするテレビCMを開始。福島からの避難者らから「無神経だ」と批判を浴びたが今も続けている。

 さらに新潟県関係者によれば、福島事故の検証について新潟県は当初、東電第三者委に県技術委メンバーを加えるよう要請したが、東電は受け入れなかったという。しかし今年6月、一転して合同検証委を設置した。県関係者は「隠蔽体質の会社との合同検証でどこまで真相に迫れるのだろうか」と懸念を示した。


基地 from 沖縄 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

基地 from 沖縄 カテゴリーニュース