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東電の「うそ」次々発覚 再稼働の資格あるか

  • 2016年7月1日
  • 12:02
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炉心溶融隠蔽を巡る経過
炉心溶融隠蔽を巡る経過

 東京電力福島第1原発事故の発生当時の社長が「炉心溶融という言葉は使うな」と社内に指示していた問題で、広瀬直己・現社長が隠蔽(いんぺい)だったと謝罪した。東電は事故対応の誤りを認め再出発することで、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を目指すが、隠蔽の経緯の解明は十分とはいえない。東電に再び原発を運転する資格はあるのか、厳しい視線が注がれている。

 ▽一転した説明

 「うそをついたのか。圧力がかかると真実を話さない会社なのか」

 2014年1月、新潟県庁。泉田裕彦知事が、報道陣の前で広瀬社長を叱責(しっせき)した。東電が第1原発事故から2カ月間にわたり原子炉の状況を「炉心損傷」と説明し続け、溶融を認めなかった点を批判したのだった。

 新潟県はこの会談に先立つ13年10月、東電が柏崎刈羽6、7号機の再稼働に向けた審査を原子力規制委員会に申請したのを受け、東電の第1原発事故対応の検証を本格化。炉心溶融の公表が遅れた経緯についても詳しい説明を求めた。

 東電はその後、県技術委員会の会合で一貫して炉心溶融の明確な定義はないと説明してきたが、事故から約5年となる今年2月になって突然、炉心溶融の判断基準を記した当時の社内マニュアルが見つかったと公表。定義はないとの説明も誤りだった、と謝罪した。

 ▽責任転嫁で幕引き

 東電が弁護士に依頼した第三者検証委員会は6月16日公表の報告書で、清水正孝社長(当時)が武藤栄副社長(同)に「炉心溶融という言葉は絶対に使うなと指示した」と新事実を指摘した。

 しかし清水氏の判断の背景については、政治家や官僚への聴取を一切しないまま「首相官邸から要請があったと推認されるが、誰からどのような要請があったかは解明できなかった」と乱暴な推論を展開。当時の民主党政権に責任転嫁して幕引きを図る内容だった。

 広瀬社長は21日に開いた謝罪記者会見で「原子力事業を任せるに足る存在と認めてもらえるよう取り組む」と強調したが、追加調査はしないとの姿勢を崩さなかった。

 企業不祥事などで設ける第三者委のモデルを示す日弁連のガイドライン策定に携わり、「第三者委員会報告書格付け委員会」の委員長を務める久保利英明弁護士は、今回の報告書や東電の対応を厳しく批判する。

 「真相解明になっておらず、第三者の検証の名に値しない。報告書の不備を認めず押し切ろうとする姿勢そのものが、東電の隠蔽体質の根深さを物語っている」
×  ×  ×

 第1原発事故を巡り、東電が「炉心溶融」という言葉を使わないようにしていた問題は、新潟県が事故対応を詳細に調査するよう東電に要請したことが発覚のきっかけだった。事態を矮小(わいしょう)化し、隠蔽や責任転嫁もいとわない企業に原発を扱う資格はあるのか。一連の問題の経緯から探る。


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