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原発比率15%でも“廃炉時代”へ 電源構成の政府方針が福井を左右

  • 2012年7月5日
  • 13:09
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 18年後の2030年、電力を何でどれだけ賄うか。政府は6月、原発の割合を「0%」「15%」「20~25%」とする三つの選択肢を示した。8月中に新しいエネルギー政策をまとめる方針。火力、原子力、再生可能エネルギーなどの電源構成が大きな焦点となる。

 「0%」は一定期間で原発を強制的に廃止し、再生可能エネルギーを基軸にする。「15%」は既存原発の寿命を40年に設定して減らす考え方だ。「20~25%」は一定比率を中長期的に維持し、新型炉へのリプレース(置き換え)などを行う。

 選択肢は、昨年10月から検討を重ねてきた経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本問題委員会の報告書を基にしている。いずれも東京電力福島第1原発事故前の10年度の実績値「26%」よりは低くなる。

 ただ、同委員会では、脱原発派の委員が「福島のような重大事故が今後も起こりかねない」などと早期の“原発ゼロ”を求めたのに対し、原発維持を求める委員らは「再生可能エネルギーは発電コストがかさみ、電気料金の大幅な値上がりで企業の海外移転が進む」と反論。議論は平行線で一つの案にまとめることができず、複数の選択肢を提示する形となった。

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 三つの選択肢のうち、「一つのベースになり得る」(細野豪志原発事故担当相)として有力視されるのが15%。原発の運転期間を原則40年とする政府の規制強化策にも沿っている。

 福井県内の原発に当てはめるとどうなるのか。

 1970年代から次々と原発が運転を始めた福井県では、既に日本原電敦賀1号機が42年を超え、関西電力美浜1号機も11月で42年、同2号機は7月25日に丸40年となる。ほかにも3基が35年を超えている。

 新増設がなく運転40年で停止させた場合、30年時点で残っている原発は大飯3、4号機の2基だけとなる。この2基も33年までに40年を迎え、今から21年後には「県内原発ゼロ」となる計算だ。

 0はもちろん、15%のシナリオでも、県内では“廃炉時代”が一気に到来することになる。

 電源3法交付金や固定資産税、核燃料税など財政的な恩恵を受けてきた県、立地市町などに大きな影響が及び、原発関連産業を基軸としてきた嶺南の経済、雇用は打撃を受ける。特に、財政や地域経済面で依存度が高い美浜、おおい、高浜町にとっては死活問題だ。

 「国策として始めた原発を国策として廃炉にするなら、特別立法による地元支援が必要だ」。大飯3、4号機の再稼働への同意を野田佳彦首相らに伝えた際、西川知事はあえて、こう訴えた。

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 15%案は、あいまいな点が多い。30年以降にゼロを目指すかどうかは定めず、適当な時期に再び検討するとしている。将来、原発の新増設を認めるかは不透明なままだ。

 野瀬豊高浜町長は「その段階で新増設をすると決めても、稼働まで10年かかる。そうすると火力依存が続くことになるが、国の全体を俯瞰(ふかん)すると、正しい選択なのかは疑問だ」と指摘する。

 一方、共産党の佐藤正雄県議は「政府は原発をいつゼロにするか、一定の期間を最初に決めておかないといけない。15%案だと、いずれその比率をキープしようと新増設を求める論調が出てくる」と疑問視する。

 西川知事は再稼働判断に当たり、政府が「原発は重要な基幹電源」と位置付けを明確にし、首相が国民に発信するようこだわった。

 野田首相は6月8日の記者会見で、エネルギー安全保障という観点も含め「原発は重要な電源」と語ったが、「基幹電源」との言葉は使わなかった。

 政府は中長期的には脱原発依存を掲げている。30年の電源構成をどうするか、国民的な議論を踏まえて決める方針だ。

 「世の中の流れに身を任せるのではなく、国が明確なビジョンの下にリードすべきだ」。エネルギー政策をめぐり西川知事は、現実的で冷静な議論を求めている。


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