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原子力機構の組織体質に厳しい目 「もんじゅ」漂流・ナトリウム漏れ事故16年(中)

  • 2011年12月7日
  • 15:56
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福島第1原発事故を受けエネルギー政策見直しの議論が行われている中で、研究開発の意義が問われている高速増殖炉「もんじゅ」=2011年11月27日、福井県敦賀市白木
福島第1原発事故を受けエネルギー政策見直しの議論が行われている中で、研究開発の意義が問われている高速増殖炉「もんじゅ」=2011年11月27日、福井県敦賀市白木

 「原子力機構に高速増殖炉の研究開発を任せていいのか」「機構のガバナンス(企業統治)が問題」

 2011年11月の政府の提言型政策仕分けでは高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の開発意義に対してだけでなく、日本原子力研究開発機構の組織体質を疑問視する声が噴出した。

 核燃料サイクル政策の是非やもんじゅの在り方は、政府のエネルギー・環境会議などでも議論されており、その中で結論が出る見込みだ。このため政策仕分けでも「高速増殖炉をどうするかというのは来年夏の話」(取りまとめ役の玉木雄一郎衆院議員)として、高速炉の必要性そのものにまで議論は踏み込まなかった。

 しかし、巨額の事業費を投入しながら成果を上げられない点など、原子力機構に対する批判は強く、評価結果にも盛り込まれた。

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 もんじゅの開発体制は、原子力政策大綱の見直しに向けた原子力委員会の策定会議でもやり玉に挙げられ、原発推進派の研究者からも厳しい意見が飛び出した。

 「15年動かないのは理由がある。原子力機構の進め方に何か足りない部分があるから」と指摘したのは山名元・京都大原子炉実験所教授。山口彰・大阪大大学院教授も「体制に何らかの課題があったのか、組織や体制の議論は避けられない」と述べた。

 同じ会議で、原子力機構の鈴木篤之理事長は「(装置落下の)原因は過去の設計ミス。あの瞬間で原子力機構がまずかったということはない。情報も隠していない」と弁明。過去の“隠ぺい体質”は改革してきていると訴えた。

 ただ、鈴木理事長自身は10月末、原型炉のもんじゅに続いて実証炉、実用炉を目指すのとは別の研究開発に軸足を移す方向性を示している。

 政策仕分けの結果を受けて中川正春文部科学相も、2012年度予算では40%出力確認試験に備えた対応調整費約22億円の計上を見送る考えを示唆している。

 運転再開が遠のき、研究開発の路線が変われば、現場の士気に影響が出ないか懸念もある。

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 敦賀市で3日開かれた反対派の集会には、もんじゅ事故後に福井、新潟両県と一緒に国に政策提言もした佐藤栄佐久前福島県知事が講師として顔を見せた。取材に対し「これだけの事故が起きても、まだ(推進に向け)動きだすのは全体主義の部分が残っているからだ」と原子力業界の体質を批判。もんじゅの研究開発も強引に進めるべきではないとした。

 一方、事故直後からもんじゅ建設所長を8年近く務めた菊池三郎原子力研究バックエンド推進センター理事長は「技術面ではもう少し早く動かして結果を出したかった。国民の理解をもう一歩深めなければいけなかった。じくじたる思いがある」と語る。その上で、進める側は批判を受けても明確な意思を持って取り組むべきだと危機感をにじませた。


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