福井と沖縄、原発と基地のニュースサイト

大飯原発安全性結論、評価の道筋 福井県専門委、中長期策の代替確認

  • 2012年6月12日
  • 12:16
  • Twitterでシェア0
  • Facebookでシェア0
  • Google+でシェア
  • 0
県原子力安全専門委員会の会合後、報道陣の質問に答える中川委員長(左端)=2012年6月10日、福井県庁
県原子力安全専門委員会の会合後、報道陣の質問に答える中川委員長(左端)=2012年6月10日、福井県庁

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の安全性をめぐり県原子力安全専門委員会が2012年6月11日提出した報告書では、国の示した安全基準を「何重にも歯止めをかける多層的な対策」と評価。加えて、国より厳しい視点で県独自に関電に求めた対策の実施を踏まえ、安全性が確保されていると結論づけた。免震事務棟の設置など未実施の課題として残る中長期対策については、代替措置が機能するかを確認した上で、できる限り早期の実施を求める“二段構え”で見解を示す形となった。

 「県民に分かりやすく議論していきたい」(中川英之委員長)としてきた専門委は、報告書をまとめる際も、関電がこれまで行った安全性向上対策などを分かりやすく系統立てて確認するため▽電源確保対策▽地震対策▽津波対策▽シビアアクシデント(過酷事故)対応能力の向上―など11項目に分類して検証した。

 専門委はこれまで、事故時の人員体制の充実といったソフト対策を含め、独自の視点で関電などの事業者に安全対策を指示してきた。すべての非常用炉心冷却装置が使用できない場合に備え、炉心に直接注水する手段の確保を求めるなど、国を上回る厳しい内容。関電に手順を整えさせ、習熟のための訓練も実施させた。

 また、現場の確認を重視。例えば4月18日には中川委員長らが大飯原発を視察し、福島の事故の要因となった全電源喪失の対策をめぐっては、空冷式の非常用発電装置が高台に適切に分散配置されているかや、作業員によるケーブル接続の訓練を入念に確認した。

 安全性を検証する上で注目されたのは、中長期対策が未実施の点。防波堤のかさ上げは2013年度、免震事務棟、フィルター付きベント(排気)装置の設置はそれぞれ15年度の予定で、懸念を示す住民も少なくないからだ。

 専門委は、完成するまでの代替措置策を検証。免震事務棟が完成するまでは、事故時の指揮の場として中央制御室周辺の部屋を使用するが、現地視察を踏まえた上で、放射性物質の防護措置が取られ、耐震性を持つ点を確認。指揮機能は確保できるとした。

 フィルター付きの格納容器ベント装置は、沸騰水型に比べて加圧水型では格納容器の容積が大きく、容器内の圧力を下げる複数の手段もあり、過酷事故時にベントの必要性は格段に低いと指摘。防波堤のかさ上げは津波の緩和対策として行う観点のもので、建屋の直接の浸水防止対策は施されていると評価した。

 ただ、専門委の見解に対し、原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「電源確保策が評価の中心。福島の知見を踏まえれば、過酷事故が起きたと想定した上での安全性の検証が必要」と批判する。

 福島では中央制御室付近で作業員が内部被ばくしたことなどから「免震事務棟などの中長期対策は再稼働前に確実に実施されなければならない」と伴氏は指摘。10日の専門委の会合でも「どんな安全対策を図ったとしても過酷事故を起こす可能性はある」との意見が出た。

 未実施の中長期対策について報告書では、確実な遂行と国による厳格なチェックを要求した。中長期対策の過酷事故対策に関しても、福島での今後の事故調査で新たな知見が判明した場合は、安全規制や既存施設に迅速に反映させるシステムの構築を要請。国や関電に対し、安全性を高める不断の努力を続ける姿勢が不可欠だと訴えた。


基地 from 沖縄 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

基地 from 沖縄 カテゴリーニュース