原子力規制委員会の田中俊一委員長は1日、再稼働の前提となる審査の今後の進め方について、運転開始から40年前後を経過した老朽原発以外では、九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県)と北海道電力泊3号機の審査を先行させる方針を明らかにした。関西電力大飯3、4号機(福井県おおい町)はその後とする。同日開かれた関電との意見交換会で、八木誠社長に伝えた。
規制委は現在、審査期限が迫っている老朽原発の関電高浜1、2号機(同県高浜町)と美浜3号機(同県美浜町)の審査にスタッフを集中投入して進めており、ほかの原発の審査会合は人員不足などからあまり開かれていない。
田中委員長は老朽原発以外の審査に関し、「玄海原発や泊原発が先に行って大飯原発はその次ぐらい」と述べ、八木社長に対し、審査の主要課題をクリアしつつある玄海、泊両原発の審査を先行させることへの理解を求めた。
八木社長は「大飯も審査上の大きな問題は終わったと聞いている。バランスよく審議いただきたい」と再考を求めた。