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沖縄の米軍属逮捕 基地ある限り事件起きる

  • 2016年5月21日
  • 13:57
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 【福井新聞論説】沖縄でまたも米軍絡みの許しがたい事件が起きた。行方不明だった20歳の女性が遺体で見つかった。沖縄県警は元米海兵隊員で嘉手納基地で働く軍属の男を死体遺棄の疑いで逮捕した。在日米軍専用施設の約74%が集中する沖縄の悲しい現実である。政府が強調する「基地負担の軽減」は、完全撤去へ向かわなければ、こうした凶悪事件が繰り返されるだろう。

 米国から帰国したばかりの翁長雄志(おながたけし)知事は「沖縄の米軍基地がいかに理不尽な形で置かれているかと話してきた。その矢先に、基地があるがゆえの事件が起きてしまった」と絶句、「痛恨の極み」と憤った。

 安倍晋三首相は「非常に強い憤りを覚える。徹底的な再発防止など厳正な対応を求めたい」とし、菅義偉官房長官も「言語道断。二度と起こらないよう、あらゆる機会を通じて米側に対応を求め続けたい」と強調した。言葉の調子は強いが、政府は「二度と起こらないよう」と何度繰り返してきただろうか。

 沖縄に厳然として治外法権が存在する限り、再発防止は当てにならない。日米同盟の強化は日本の安全保障政策の基本だが、県民の安全は過去も、現在も保障されてはいない。

 1995年、米兵による女子小学生暴行事件が発生した。反基地の怒りは翌年の日米両政府による普天間飛行場の返還合意につながった。だが、その飛行場は20年たっても返還されず、名護市辺野古で新基地建設工事が進められている。

 国土の0・6%の土地に米軍専用施設の約74%が集中するというが、割合は14年の73・8%から、今年1月現在では74・46%に増えているという。基地負担軽減に実効性がない。

 72年の沖縄返還からこれまで、米軍関係者による犯罪検挙数は6千件近い。米兵の殺人、強盗、強姦(ごうかん)などの凶悪犯罪は95年以降も毎年数件発生。3月にも女性観光客が那覇市内で暴行される事件が起きている。

 県警の調べによると、亡くなった女性は「ウオーキングしてくる」と出た後、行方不明になった。逮捕された軍属の男は「首を絞め、刃物で刺した」と供述している。全く面識もなかったとすれば、県民は安心して外も歩けない。

 日米安保条約に基づく地位協定は、米兵・米軍属が事件を起こした場合、米側に特権を認めている。今回米側は捜査に全面的に協力するとしているが、この「特権」こそ、いまだ戦後を引きずる「沖縄の痛み」そのものである。

 オバマ米大統領が26日からの主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)のため来日する。安倍首相が日米首脳会談で厳しく申し入れ、オバマ氏も「遺憾の意」を表明するだけでは、何ら現状は変わらない。治外法権を改め、基地縮小・撤退への道筋を付けることでしか県民は納得しないだろう。


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