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エネルギー教育施設9月完成 運営に原発交付金、廃炉で不安も

  • 2016年5月8日
  • 09:19
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整備が進む福井県美浜町エネルギー環境教育体験館=同町丹生
整備が進む福井県美浜町エネルギー環境教育体験館=同町丹生

 福井県美浜町が同町丹生で整備を進めている「エネルギー環境教育体験館」が、9月にも完成する。原発の交付金を活用した町営の新施設。教室ではできない学びのできる拠点施設として、近府県の小中学生の利用も呼び込みたい考えだ。原発の廃炉が決まって町財政の先行きが不透明な中、エネルギー教育推進を掲げる国や県の積極的な関与を求める声も出ている。

 ■町外から9割

 新施設は廃校となった丹生小を改修、増築した3階建て延べ約2500平方メートルの旧校舎を整備。子どもたちは廊下を駆け、体重と速度から運動エネルギーを計算したり、巨大なビニール袋の中で跳びはね、二酸化炭素の温室効果を体感したりできる。

 旧グラウンド部に新設する「昔体験農家」では、水車で動くきねと挽(ひ)き臼で精米するなど電気のない暮らしを体験できる。これら体験プログラムは全部で45種類。1回500〜千円の有料だ。

 入館自体は無料とする計画のため、この体験料が施設の収入。町は初年度、小中学生約2万5千人の利用を想定する。このうち町内小中学生は700人弱。県内小中学生が1万3千人、県外からも2600人と、9割以上、町外の子どもに利用してもらう想定だ。

 ■枯渇は10年で

 「美浜1、2号機が廃炉となり、原子力政策の先行きも不透明。将来の財政負担が心配だ」。前町会原子力発電所特別委員長で、館の整備建設検討委員も務めた竹仲良廣町議は「教育施設は、商業施設のようには利益を出せない」と懸念する。

 課題となるのが、町が施設運営に充てようと原発交付金を積み立てた基金だ。施設整備には「高速増殖炉サイクル技術研究開発推進交付金」(FBR交付金)を15億円受け、うち8億9千万円を旧校舎に活用。旧グラウンド部分は別の電源3法交付金2億円を使うことにしている。

 残りのFBR交付金6億1千万円が、施設運営の基金。ただ施設には有料体験のインストラクターら7人を常駐させる計画で、町の試算では想定通り2万5千人が有料体験を利用しても毎年の赤字補填(ほてん)によって基金は10年程度で尽きるという。

 ■トップランナー

 施設は2011年の福島第1原発事故前から構想されてきた。町は06年には既に、総合振興計画にエネルギー・環境教育推進を盛り込み、独自カリキュラムに取り組んできた先進地。「きっかけは04年の美浜3号機の蒸気噴出事故。放射能漏れはなかったのに、一般に理解されず、教育の大切さを感じた」と山口治太郎町長は話す。

 「エネルギー・環境教育のトップを走り、町から研究者を目指す子どもが出てほしい。福島の原発事故後の意向調査でも学校側に体験の場を求める声はある。本年度は特に学校へ情報発信に努める」と力を込める。

 町は施設完成後、スタッフ研修などを経て来年4月に運営を始める計画。将来は指定管理方式も見据えており、これから検討委を立ち上げる。

 国のエネルギー基本計画は「エネルギーはあらゆる国民生活、産業活動の基礎。子供の頃から理解することは、政策に国民として関与する主体となった際に大いに役立つ」と記す。

 「国や、立地同様に電源3法交付金の恩恵を受ける県は、積極的な広報など役割を果たすべきだ」と訴えるのは整備建設検討委員を務めた浜野健治町議。同委員長だった福井大教育学部の淺原雅浩教授も「エネルギー教育を重視するなら総力戦で臨む必要がある。館の継続的な運営に国、県だけでなく事業者や大学、地域など幅広い協力を求めたい」としている。


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