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高浜1、2号の安全まだ計画段階 審査合格、炉内耐震積み残し

  • 2016年4月21日
  • 08:45
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高浜1、2号機の安全対策のイメージ
高浜1、2号機の安全対策のイメージ

 運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)に原子力規制委員会が20日に合格証を出したことで、老朽原発でも十分な対策を施せば運転できる道筋がついた。ただ現段階で関電は、総額2160億円、3年掛かりの大規模な工事を想定し、ほとんどが、まだ机上の計画段階。原子炉容器内の部品などの耐震安全性評価は積み残したままだ。7月の審査期限までに、詳細設計を記した工事計画と、60年運転のための審査に合格する必要があるが、審査の行方は予断を許さない。

 ■前例ない

 必要な安全対策は、事故時の対応拠点となる緊急時対策所の設置や、審査で焦点となったケーブル全長約1300キロの防火、土石流防止のえん堤新設まで多岐にわたる。

 放射線を遮る能力が低いとされた原子炉格納容器は上部を鉄筋入りコンクリートで覆い、外周の壁を厚くするなど、前例のない工事となる。

 20日の規制委の会合では、複数の委員が「今後の審査の中で確認していくものがあるので、きちんとチェックしてほしい」と事務局に要望。残りの審査を厳格に実施する考えを示した。

 ■「致命的劣化ない」

 大規模改造で設備の信頼性を向上させても、長期間運転による劣化をどう判断するかの問題は残る。運転延長審査ではこの点を審議。既に関連の審査会合は5回、実務者レベルの打ち合わせは41回を数えた。

 炉内や格納容器に異常がないかやコンクリートの強度、中性子が当たることで原子炉がもろくなる「脆化(ぜいか)」が60年経過時点でどれだけ進むかを推定し、健全性が保てるかなどを確認する。脆化に対する不安の声は根強いが、規制委の担当者は「現段階で、致命的な欠陥は認められない」としている。

 ■審査のポイント

 今後の審査のポイントは、燃料集合体の支えといった原子炉内にある部品(炉内構造物)などの耐震安全性評価だ。規制委の担当者は「炉内の評価は最も核となる部分」と話す。

 工事計画、運転延長とも、規制委の審査で指摘を受けて再計算をしている最中。関電は工事計画の補正を4月中、運転延長の補正を5月中に提出する方針だ。

 地震に伴う設備の揺れの収まりやすさについて、関電が新たな評価手法を取り入れたため、1次系冷却設備といった原子炉周辺の耐震安全性も未決着だ。妥当性の確認は工事完了後、規制委が使用前検査で実施する。検査で妥当性が否定され、追加の大規模な耐震工事が必要になれば、「既存の別設備の耐震性に問題をきたす可能性がある」(関電)という。その場合、審査の追加ややり直しが必要で、再稼働の大幅な遅れは不可避となる。


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