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高浜原発差し止めに経済界猛反発 電気料金引き下げ期待外れ

  • 2016年4月3日
  • 08:55
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関西電力高浜原発の3号機(左)と4号機=3月10日、福井県高浜町
関西電力高浜原発の3号機(左)と4号機=3月10日、福井県高浜町

 今年に入り再稼働したばかりの関西電力高浜原発が3月、大津地裁による仮処分決定で停止したことに、経済界から反発の声が上がっている。原発の運転による電気料金の引き下げを期待していたためだが「なぜ一地裁の裁判官が判断できるのか」と司法制度を疑問視する発言もあり、住民側は「許せない」と批判している。

 ▼法改正を

 3月17日、大阪市内で開かれた関西経済連合会の記者会見。3月9日に大津地裁が出した高浜3、4号機の運転を差し止める仮処分決定について、角和夫副会長(阪急電鉄会長)は「憤りを超えて怒りを覚える。なぜ一地裁の裁判官、一人の裁判長によって、国のエネルギー政策に支障を来すようなことが起こるのか。こういうことができないように法律改正を望む」と語った。

 記者の重ねての質問にも「もちろん三権分立だが、(仮処分ではなく)きちんと本訴でやって最高裁までいって止めるべきだ、あるいはエネルギー政策としてやめるべきだというなら納得はいくが、一地裁の裁判官の判断では日本にとって不幸で、大半の人が望んでいない」と繰り返した。

 ▼裁判官独立

 発言の背景には電気料金の問題がある。東京電力福島第1原発事故前、関電の発電量に占める原発比率は約5割に上り、経営の要だった。原発停止で値上げした料金を、高浜原発の再稼働を受け今年5月から下げる予定だったが、見送った。

 関経連の佐藤広士副会長(神戸製鋼所会長=現相談役)も「電気料金の高止まりは、企業経営に大きなマイナス影響を及ぼす。ああいう裁判がいろんなところで次々に起こって、電気の安定供給に不安が出てくるという点を懸念している」と述べた。

 憲法76条は「すべて裁判官は、独立してその職権を行う」と規定。三権分立の下で、政治など他からの干渉を防ぐ「裁判官独立の原則」と呼ばれる。司法制度そのものの軽視とも取れる姿勢に、仮処分を申し立てた住民側弁護団長の井戸謙一弁護士は「近代国家の大原則を否定する発言だ」と批判する。

 ▼賠償請求

 原発停止の仮処分は、その後判断が覆った場合に、電力会社から損害賠償を請求される可能性も浮上している。

 昨年全国で初の再稼働をした九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)の仮処分では、九電側が「再稼働が遅れると1日5億5400万円の損害になる」と述べ、当初申し立てた計23人のうち11人が取り下げる事態に。関電の八木誠社長は3月18日の記者会見で高浜原発について「一般的に損害賠償請求は、逆転勝訴すれば考えられる」と述べた。

 しかし仮に敗訴しても、訴えた側に賠償責任が生じるのは「主張した権利が根拠を欠く上、訴えた側がそのことを知りながらあえて訴えを提起したなど、著しく相当性を欠いた時に限られる」との最高裁判例がある。脱原発弁護団全国連絡会は3月22日「原発の運転差し止めを求めて敗訴した住民が、電力会社に賠償を求められた例は過去になく、どう喝で容認できない」と、八木社長に撤回を求めた。


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