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伊方再稼働へ追加対策も拭えぬ不安 揺れる原発立地県 東電福島事故から5年(9)

  • 2016年4月5日
  • 14:00
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構内でいくつもの車両が動き、工事を進めている四国電力伊方原発=2016年2月29日午前、愛媛県伊方町九町
構内でいくつもの車両が動き、工事を進めている四国電力伊方原発=2016年2月29日午前、愛媛県伊方町九町

 原発の「安全神話」が崩れ去った東京電力福島第1原発事故から5年。この間、伊方原発3号機(愛媛県伊方町)では、四国電力が原子力規制委員会の新規制基準などに対応するため約860億円(2015年12月末時点)を投じ、追加安全対策を講じてきた。それでも地元住民の不安はまだ拭い去られていない。

 基準地震動(耐震設計の目安となる地震の揺れ)が570ガルから最大650ガルへ引き上げられたことに伴う耐震工事、非常用発電装置の増強、重要機器を津波から守る水密扉。伊方3号機の安全対策を説明する四電の資料には多岐にわたる追加工事の内容が並ぶ。

 「新規制基準は福島と同様の事故を起こさないように設定された。これに適合しているとの判断をいただいた。格段に安全性は向上している」と四電担当者。伊方3号機は15年7月、全国の原発で3番目に新規制基準の適合審査に「合格」した。その後、同10月に中村時広知事と立地する伊方町の山下和彦町長から地元同意を取り付け、再稼働の最終準備が進んでいる。

 しかし、地元住民の間で安全性への懸念はくすぶったままだ。四電の説明に対し、伊方原発から5キロ圏内に住む自営業の男性(63)は「実際にどれだけの地震に耐えられるのか分からない。メカニカルな話になるとほとんど理解できない」とし、そのままは受け入れられないという。

 四電の従業員が原発20キロ圏にある約2万8千戸を訪れ、安全対策を説明する「訪問対話活動」の結果にも、同様の傾向がうかがえる。四電によると、15年7〜8月の活動では、伊方原発に一定の理解を示した世帯が65%(前年度63%)だった一方、厳しい意見が7%(5%)で「全体として例年並みの結果」だった。訪問した四電従業員が判断して意見を分類していることも考慮すれば、地元住民には安全性への不安が依然としてある。

 伊方1、2号機の建設時に作業員として働いたという伊方町内の無職の男性(78)は「新しい基準もこれまでの基準も、よく分からんけど同じことやと思う。事故にさえならなければ町が潤うからいい」と冷めた視線を送る。

 四電は追加安全対策の工事を続けており、19年度までに計1700億円の費用を投じる予定だ。国の基準にとどまらない、事業者独自の判断による分かりやすい説明が今後も求められる。(愛媛新聞社)

 四国電力伊方原発 四国唯一の原発で、1号機は1977年、2号機は82年、3号機は94年に稼働した。九州に向かって延びる佐田岬半島の付け根に位置し、瀬戸内海に面している。立地自治体である伊方町の人口は9629人。原発30キロ圏内には愛媛県の6市町と山口県上関町が含まれ、計約12万3千人が居住している。


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