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浜岡原発半径31キロ圏に94万人 揺れる原発立地県 東電福島事故から5年(8)

  • 2016年4月4日
  • 14:00
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浜岡原発の重大事故を想定した広域避難計画の実動訓練に取り組む住民ら=2月3日午前、静岡市葵区の新東名高速道路静岡サービスエリア
浜岡原発の重大事故を想定した広域避難計画の実動訓練に取り組む住民ら=2月3日午前、静岡市葵区の新東名高速道路静岡サービスエリア

 東名高速道や東海道新幹線など交通の大動脈がほど近くを走る中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市佐倉)。重大事故時に避難が必要な半径31キロ圏には、約94万人が居住している。再稼働の是非とは別に、県は広域避難計画策定を進めるが、入院患者や社会福祉施設入所者ら要配慮者の避難、甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤の配布など、課題が山積している。

 浜岡原発から約2キロに位置する特別養護老人ホーム「東海清風園」(御前崎市)。山本雅美施設長(55)は「原子力災害時に職員がどれだけ残ってくれるだろうか」と不安を口にする。

 2月上旬、同施設は放射線防護機能を持たせた室内を使い、入所者を屋内退避させる訓練を初めて実施した。屋内退避は福島原発事故後、国の指針によって避難で健康リスクが高まる場合に実施すると定められた。

 職員はベッドに横たわる入所者10人を次々と運び入れ、訓練は20分ほどで完了した。ただ、実際の入所者は約170人。山本施設長は「全員を短時間で移動させるのは困難」とため息を漏らす。

 また、放射線防護対策を講じた室内スペースには限りがある。「大勢の入所者を移せば、すし詰め状態になる。環境の変化による体調の急変も心配」と、山本施設長の懸念は尽きない。

 「危険が迫る中、ヨウ素剤なしで避難を始めろなんて住民心理を無視してる」。原発から半径5〜31キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)に入る静岡県掛川市の浦野正守危機管理課長(55)は県計画案に疑問を投げ掛ける。

 安定ヨウ素剤について、県は国の指針に基づき、新年度に原発から半径5キロ圏の予防防護措置区域(PAZ)の住民には事前配布を始める。一方、UPZ圏は原子炉が冷却機能を失う全面緊急事態に至った後、緊急配布する方針。UPZ圏の配布や服用のタイミングの判断については曖昧な部分が多く、県担当者は「問題点は認識している。国に具体的な解決法の提示を求めたい」との立場を示す。

 同市は2月初め、県計画完成を前に、住民配布訓練を独自実施した。訓練結果の検証から、浦野課長は「問診を行う医療関係者を市内で賄うのは不可能で、配布場所を運営する市職員も確保できない。緊急配布は極めて困難」と結論付け、「10キロ圏の住民や希望者への事前配布を市単独で検討したい。県も全面緊急事態に至る前に対応する『警戒配布』を計画に盛り込むべき」と訴える。(静岡新聞社)

 浜岡地域原子力災害広域避難計画 PAZ圏の住民は全面緊急事態で一斉避難を開始し、UPZ圏は屋内退避後、空間放射線量率の基準に達した地区ごと多段階避難を実施する。避難手段は原則自家用車で、要配慮者らはバスを使用する。同原発の立地は東海地震の想定震源域内で、大規模地震との複合災害の場合は、関東や北陸地方への避難も計画している。


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