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九電説明不足、危機意識緩み懸念 揺れる原発立地県 東電福島事故から5年(4)

  • 2016年3月31日
  • 14:00
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山口祥義知事(手前右)と面会し、玄海原発をめぐる動きなどを説明した瓜生道明九州電力社長(左)=1月12日、佐賀県庁
山口祥義知事(手前右)と面会し、玄海原発をめぐる動きなどを説明した瓜生道明九州電力社長(左)=1月12日、佐賀県庁

 「立て続けに2回だ。規制基準の要求にあるとかないとかの問題じゃない。これは信頼関係の問題だ」。九州電力の瓜生道明社長(66)が新年あいさつで佐賀県庁を訪れた1月12日。県幹部の一人は吐き捨てた。昨年8〜10月に川内(せんだい)原発2基(鹿児島県薩摩川内市)を全国トップで再稼働させ、玄海にシフトした九電。「危機意識が緩んできてるんじゃないか」。県幹部は疑念の目を向ける。

 信頼を損ねた「2回」とは、昨年11月に玄海原発(佐賀県玄海町)の敷地内で使用済み核燃料の乾式貯蔵施設建設を検討していると公表したことと、同12月に川内原発の免震重要棟建設を撤回し、玄海原発も「再検討」としたことだ。

 県と玄海町への十分な事前説明がなく、山口祥義知事と岸本英雄町長は「非常に当惑している」「報告がないとは何事か」と不快感をあらわにした。

 2011年3月の東京電力福島第1原発事故から3カ月後、事故後初の再稼働を目指した玄海原発を舞台に起きた「やらせメール」問題。当時の古川康知事と九電の「なれ合い」関係は、旧態依然とした行政と電力事業者の実態を浮かび上がらせ、県民からも厳しい批判を浴びた。

 あれから5年。佐賀県と九電の関係は、大きく変化したように見える。昨年1月、古川氏の後任として就任した山口知事は、ことあるごとに「信頼関係」の重要性を強調する。乾式貯蔵問題など九電の「説明不足」を理由に、幾度となく苦言を呈し、表面的には緊張関係を保っている。

 一方、九電の対応はどうか。一連の説明不足の批判には「混乱を招いたことは反省している。今後は地域の皆さんに安心してもらえるよう、より丁寧な説明に努めていく」と善処する姿勢を見せる。

 しかし、免震重要棟は過酷事故対応という重要な問題にもかかわらず、玄海原発の対応ではいまだに明確な説明はない。「安全性向上の観点から検討している。まとまり次第公表する」とし、積極的に説明を尽くすという姿勢は感じられない。

 玄海原発の廃炉を求めて提訴した「玄海原発プルサーマルと全基を止める裁判の会」の石丸初美会長(64)は「結局、県と九電のスタンスは、3・11以降も変わっていない。緊張感を演出しているが、パフォーマンスだ」。原発回帰と呼応した“安全神話”復活への危惧を口にした。「電力自由化の影響もあり、安全性より経済性を重視しているのではないか。免震棟の撤回は、その象徴だ」(佐賀新聞社)

 免震重要棟 福島第1原発事故で対応拠点として重要な役割を果たした。新規制基準で義務付けられていないが、九電は玄海、川内原発ともに棟内に緊急時対策所を設置する計画だった。川内原発は再稼働後の2015年12月に計画を撤回し、規制委員会に代替案を申請したが、批判が出ている。玄海原発も再検討を表明している。


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