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東海原発、炉の解体着手は不透明 揺れる原発立地県 東電福島事故から5年(6)

  • 2016年4月2日
  • 14:00
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仮保管されている東海原発の解体などで生じた低レベル放射性廃棄物=2015年7月29日、茨城県東海村
仮保管されている東海原発の解体などで生じた低レベル放射性廃棄物=2015年7月29日、茨城県東海村

 茨城県東海村の東海原発は国内の商業用原発で廃炉作業が最も早く進められている。事業者の日本原子力発電(原電)は2015年7月、東海原発の解体で発生する低レベル放射性廃棄物のうち、放射能レベルが極めて低い廃棄物(L3)を敷地内に埋設処分する事業認可を原子力規制委員会に申請した。

 L3の処分申請は全国初で、原電は規制委や地元の了解を得て、18年度にも埋め立てを始める方針を示した。

 東海原発は国内初の商業用原発として1966年に運転を始め、98年に停止した。2001年に廃炉作業に着手、25年度の完了を目指す。

 L3は原子炉周辺の熱交換器などの設備や機器撤去で出る金属、建屋を解体したコンクリートで、原電によると総重量は計約1万6千トンが見込まれる。

 申請書によると、敷地内の約8千平方メートルに深さ約4メートルの穴を2カ所掘り、約120平方メートルの区画を計55区画設ける。鉄箱などに入れたL3を埋設し、最終的に高さ約2メートル盛り土して、50年程度管理する。

 原電の担当者は、村や周辺自治体での住民説明会などで、地質や地下水の調査結果から「国の基準に十分準拠した施設になっている」と安全性に問題がないと強調。住民からは「もっと強固な施設にするべき」「地下水や海に放射性物質が流れ出る可能性はないのか」などの声が漏れた。

 東海村の山田修村長は、原電に対し住民への丁寧な説明を求め、L3の一部が廃棄物貯蔵庫に仮保管されているリスクを指摘する。

 原電によると、貯蔵庫にある低レベル放射性廃棄物は15年12月末現在、比較的レベルの低い廃棄物(L2)とL3が、ドラム缶換算でともに約千本仮保管されているという。

 山田村長は「現状では自然災害で飛散する恐れがある。安全性が高まるのであれば、L3の埋設はやむを得ない」と述べ、廃炉作業の進展にも期待する。

 L3埋設が実現すれば廃炉は一歩進むが、原子炉領域から出るL3よりレベルの高いL2と比較的レベルの高い廃棄物(L1)の処分場はない。廃炉計画では処分先が確保できない場合、解体撤去に着手しないとされる。

 原電は当初、11年度に原子炉領域の解体に着手する予定だったが、2回の工程変更で19年度まで延長した。

 L3よりレベルの高い廃棄物の処分地が決まらなければ3回目の延長の可能性もある。山田村長は「L1とL2は国の関与が必要だ」と強調した。(茨城新聞社)

 低レベル放射性廃棄物 原発の廃炉作業などで発生する放射性廃棄物で、放射能レベルが高い順にL1〜L3の三つに区分される。L1は制御棒など原子炉中心近くの比較的放射性物質濃度が高い廃棄物。L2は原子炉圧力容器などのL1周辺の設備で、L3はさらに外側にある熱交換器や建屋解体で出るコンクリートなどとなっている。


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