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再処理、抽出プル消費見通せず 揺れる原発立地県 東電福島事故から5年(3)

  • 2016年3月30日
  • 14:00
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経済産業省の担当者から説明を受ける青森県六ケ所村議会の議員。地元は振興策がどうなるのかが気になる=2月15日、同村
経済産業省の担当者から説明を受ける青森県六ケ所村議会の議員。地元は振興策がどうなるのかが気になる=2月15日、同村

 使用済み核燃料を再処理し、抽出したプルトニウムを再び燃料に使う核燃料サイクル。資源を持たない日本はこの循環を目指すが、使途を見通せない余剰プルトニウムに、世界から厳しい目が注がれる。政府は、新たな事業主体となる認可法人「使用済燃料再処理機構」を年内にも発足させて民間の撤退を許さず、是が非でもサイクルを推進する構えだ。

 「電力会社の確実な支払いを確保する必要がある」

 2月15日、青森県六ケ所村議会。認可法人関連法案の閣議決定を受け、説明に訪れた経済産業省の担当者は狙いを強調した。

 現在の再処理事業を担うのは、原発を所有する電力9社などが出資する日本原燃。同村の再処理工場を今後40年運転する想定で、各社が12兆円以上の総事業費を積み立てる計画だ。だが、4月から電力小売り全面自由化が始まる。

 経産省が懸念するのは、競争激化で経営難に陥り、事業撤退によって「核のごみ」と化す使用済み核燃料が行き場を失う事態だ。

 新体制では、実際の事業を原燃に委託する一方、各社に再処理費用の拠出を法的に義務付け、機構が資金を一括管理。国が人事や事業計画の認可権も握ることで関与を強め、サイクルを着実に進めようともくろむ。

 ただ、再処理後のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料に関しては、消費先が見つからない状況は変わりそうにない。

 高速増殖炉はもんじゅ(福井県敦賀市)開発で停滞。原発でMOX燃料を燃やすプルサーマル計画は、関西電力高浜原発4号機(同県高浜町)が再稼働したものの、他の対象原発は、東京電力福島第1原発事故後、地元同意のハードルが高い。

 電気事業連合会が「2015年度までに16〜18基で実施」としていた目標は破綻。電事連は新たな目標を示せずにいる。

 海外再処理分を含め、日本が保有する全プルトニウム量は14年末時点で世界有数の47・8トン。既に取り出した分さえ消費のめどが立たないまま、再処理工場は新たな抽出に向け本格稼働の準備が進むという矛盾を抱える。

 地元の関心は、核燃施設立地に伴う振興策の行方にも注がれる。原燃は県や村と1985年に立地基本協定を締結した。雇用や地元発注の“約束”は、委託先に立場が変わっても守られるのか−。

 「地元との約束を反故(ほご)にすることはあり得ない」。2月の地元説明で理解を求めた経産省だったが、質問した村議は最後までいぶかしげな表情だった。(デーリー東北新聞社)

 核燃料サイクル 使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを抽出、MOX燃料に加工して再利用する政策。中核となる日本原燃の再処理工場は2018年度上期の完成に向けて新規制基準の適合性を審査中。再処理とMOX燃料加工について、政府は「再処理等拠出金法案」の今国会での成立後、事業主体を原燃から認可法人に変更する方針。


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