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国内初の廃炉協定、新産業へ期待 揺れる原発立地県 東電福島事故から5年(10)

  • 2016年4月6日
  • 14:00
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 運転期間の原則「40年ルール」の中、国内原発のパイオニア的存在だった関西電力美浜1、2号機と日本原電敦賀1号機の廃炉が決定。福井県と立地の敦賀市、美浜町は2月、事業者側と廃炉協定を結んだ。廃炉中の地域振興策も盛り込んだ協定は全国で初めてだ。

 地元では廃炉ビジネスという新産業へ期待が大きいが「地元受注は限定的では」「ビジネスは成り立つのか」と不安も交錯する。

 関電と原電が2月、原子力規制委員会に提出した廃止措置計画によると、美浜1、2号機は30年間、敦賀1号機は24年間で終える工程。廃炉費用は美浜の2基が計680億円、敦賀363億円。1基当たり年平均11〜15億円の計算となる。

 だが地元がどの程度受注できるかは未知数。2月定例県議会の一般質問では「廃炉ビジネスもプラントメーカーの独占となるのでは」と懸念の声が出た。原子炉周辺の解体は建設時と同様、参入の壁が高いとみられるためだ。西川一誠知事は「プラントメーカーに対しても地域の廃炉ビジネスに積極的な貢献を求める」と答弁した。

 県は協定を基に、電力事業者に対し廃炉工事の発注計画を事前に公表させて地元参入を促す。プラントメーカーなどで構成する委員会を新設し、地元製品を評価して活用する仕組みをつくる方針だ。

 福井県の南に位置する嶺南地方には、国内最多の商業用原発13基が立地する。このうち廃炉となった3基を含め10基が運転開始から30年を超え、本格的な廃炉時代は目前に迫る。

 福井県立大地域経済研究所の井上武史准教授(45)は「多種多様な原発の廃炉が見込まれ、福井県は他地域と比べ廃炉に特化した産業が成り立つ可能性が高い」と強調する。

 ただ産業や財政面で原発に依存する両市町は、福島第1原発事故後の長期停止で疲弊し、不安も大きい。廃炉で今後、歳入が減るだけでなく、直下に「活断層」が指摘される敦賀2号機や、60年運転を目指す美浜3号機の見通しも不透明だ。

 「集中治療室にいるような状態」。美浜町で原発の仕事に長年従事する国川清・わかさ東商工会副会長(65)は地元経済の厳しさを吐露する。原発の安全対策工事は減りつつあり、廃炉作業がいつ始まるかを注視する。

 同商工会の下部組織の町商工振興会を窓口に受注し、町全域に利益を還元する仕組みを思い描く。「廃炉作業は長期にわたるだけに地域が中心となり進めていくべきだ」と先を見据えた。(福井新聞社)

 廃炉協定 福井県と敦賀市、美浜町が2月10日、関西電力、日本原電、日本原子力研究開発機構と締結した。廃炉に特化した協定は全国初。廃炉特有の安全確保や工程の定期的な報告、廃炉関連企業の誘致と地元雇用の促進に努めることを明記し、安全協定とは別に結んだ。原子力機構は新型転換炉ふげん(同市)で廃炉を既に進めている。


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