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後絶たぬトラブル、問われる成果 高浜原発プルサーマル 背水の再始動(上)

  • 2008年2月1日
  • 14:18
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関電がプルサーマルを計画している高浜3、4号機。トラブル低減など信頼構築に向けた取り組みが問われている=福井県高浜町、2007年8月
関電がプルサーマルを計画している高浜3、4号機。トラブル低減など信頼構築に向けた取り組みが問われている=福井県高浜町、2007年8月

 プルトニウム・ウラン混合酸化物燃料(MOX燃料)を関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)で使用するプルサーマル計画が再び始動する。MOX燃料のデータねつ造と美浜3号機死傷事故で、二度の中断を余儀なくされた同計画は、県、高浜町の事前了解から八年半が経過した。原発での細かなトラブルが後を絶たず、高経年化や耐震安全性への不安が浮き彫りになる中、県民の信頼と理解を得る努力が以前にも増して問われている。

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 プルサーマル計画再開に向けた動きは、美浜3号機が事故後二度目の営業運転に入った二〇〇七年夏ごろからあった。関電が美浜町に原子力事業本部を移転し三年目を迎えたことを機に、県は関電、日本原電、日本原子力研究開発機構の三事業者から地域共生の取り組み状況を聴取した。

 「再開に向けた地ならしのようなものだった。関電だけでは露骨すぎるので三事業者すべてになった」。ある電力事業者幹部はこう漏らす。エネルギー研究開発拠点化計画をはじめとする関電の地域振興への貢献を評価することで、再開の糸口につなげる青写真を描いていたとも指摘する。

 だが、同時期に新潟県中越沖地震が発生し、東京電力柏崎刈羽原発が被災したことで、原発の防災体制や耐震安全性への不安が噴出。加えて関電の原発でトラブルが頻発し、再開を口にする雰囲気はいったん薄れた。

 結局、関電の森詳介社長が準備作業再開の検討を表明したのは、国が目標に掲げる二〇一〇年度のプルサーマル実施にぎりぎりのタイミングとなる二〇〇七年十一月。その後もトラブルは後を絶たず、本年度に発生した異常事象は十九件に上る。〇六年度の七件から大幅な増加で、県が再開の前提として対策を求めたのは当然の流れだった。

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 準備作業再開の意向を県に伝えると同時に関電が示したトラブル低減計画。過去五年間の異常事象と軽微な事象計百五十七件を分析した結果、「実作業時の確認不足」「作業のし忘れ、し間違い」「予見・考慮不足」など運用管理面の要因が六|七割を占めるとした。対策をみても、協力会社の技術力、意識向上を主眼とするものが並ぶ。

 関電が全社的なトラブル対策を打ち出すのは、美浜3号機死傷事故後だけでも四回目。そのたびに協力会社との連携強化や基本動作の徹底が盛り込まれてきた。

 今回の計画を審議した県原子力安全専門委員会では、委員から「トラブル低減の掛け声だけで現場は委縮しないか」「発電所ごとに協力会社との関係や雰囲気が違う」など、関電側の姿勢を問う指摘が相次いだ。反対派からは「協力会社に責任を押し付けている」「関電の反省が見えない」との批判は強い。

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 二〇〇八年一月三十日の最終局面を前に、西川知事は二十八、二十九の両日、原子力安全・保安院の薦田康久院長、資源エネルギー庁の望月晴文長官と立て続けに県庁で面談した。

 二十九日は北陸新幹線延伸の中央要請で上京していた知事がとんぼ返りまでして、国の姿勢を確認した。国側には地元に熱意を示したい思惑があり、県側には厳正に対処した―という結果が必要だった。

 「県民の安全安心を脅かすトラブルが続く状態では、関電だけでなく県の原子力行政についても県民の理解は得られない」(櫻本宏原子力安全対策課長)との思いは強い。今回示した低減計画が実効性を上げ、信頼構築につなげられるか。今後プルサーマル計画の手続きを進める中で“宿題”への答えが問われる。


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