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廃炉「福井発」の技術を 「ふげん」土台に研究進む   

  • 2016年3月11日
  • 11:06
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燃料デブリを模したセラミックの試験体。10個のうち半分がレーザーによって割れている=福井県敦賀市の日本原子力研究開発機構レーザー共同研究所
燃料デブリを模したセラミックの試験体。10個のうち半分がレーザーによって割れている=福井県敦賀市の日本原子力研究開発機構レーザー共同研究所

 福井県の研究機関や大学が、東京電力福島第1原発の廃炉に必要な技術開発や人材育成を進めている。敦賀市の新型転換炉ふげん(現原子炉廃止措置研究開発センター)という廃炉の現場で培った技術がベースだ。事故から5年を経てもまだ、福島第1原発は溶け落ちた燃料の状態さえ分からないが、“福井発”の技術や人材がいつの日か生かされるよう、研究に励んでいる。

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 「硬いものをたたいて壊す場合、反動を抑える大きな装置が必要。レーザーなら、最小限の装置で対象物に近づいて壊せる」。こう語るのは、敦賀市の日本原子力研究開発機構レーザー共同研究所の大道博行所長だ。研究所では、溶けて固まった核燃料(燃料デブリ)の切削技術の開発が進められている。

 デブリは硬いセラミックス状になっているとみられる。いかに簡単に、余計な廃棄物を出さずに砕くかが鍵を握る。同研究所では、レーザーを当てて熱を一部に集中させ、セラミックスを砕く技術を既に開発した。大道所長は「光ファイバーとヘッド部分さえ送り込めれば、作業はできる」とレーザーの利点を強調する。

 昨年7月には、原子力機構と日立GEニュークリア・エナジー、スギノマシンの3者で、共同研究契約を締結した。敦賀の技術を土台に、広範囲のデブリを効率よく処理する工法を開発し、夏には成果を発表したい考えだ。

 大道所長は基礎研究がさまざまな分野で応用できるとみている。敦賀での取り組みが、トンネルのコンクリート内部にある欠陥を診断する技術の一部に生かされている。「廃炉という言葉の中に、創造的なものを見いださないといけない。福島のための基礎研究は、きっと他の産業に、新しい分野に広がっていくはずだ」

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 一方、人材育成と廃炉の基盤研究を行うのは、福井大を中心とした西日本6大学2機関のチーム。昨年10月に、5年間の計画が文部科学省の事業に採択された。

 中核施設となっている福井大附属国際原子力工学研究所(敦賀市)の安濃田(あのだ)良成所長は「ふげんや研究に協力的な電力事業者、若狭湾エネルギー研究センターなどがあり、実践的な教育を行うには恵まれている」と語る。

 各大学、機関が独自のカリキュラムや技術を持ち寄って連携し、精鋭集団を育て上げる方針。福井大では新年度から、1年生の夏休みごろに学生を選抜し、3、4年と修士課程の1、2年を同研究所で過ごしてもらう課程を組む。“学修一貫”を進め、原子力のエリートを育てる考えだ。

 今年2月には福島県でセミナーを開き、全国の学生約30人が福島第1原発の現状などを学んだ。新年度は実習や、国際セミナーの開催などを予定している。

 安濃田所長は、福島事故を細部まで記録にとどめ、対応策をまとめることが、今後の原子力の安全利用につながると感じている。「事故は世界の教訓。廃炉を単なる国家プロジェクトで終わらせてはいけない」と力を込めた。


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