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防災対策に悩む全国自治体 30キロ圏外避難で混乱 原発政策に不信感

  • 2016年3月7日
  • 09:00
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福井県主催の原発災害訓練で放射線量を測るスタッフ=2015年10月、福井県小浜市
福井県主催の原発災害訓練で放射線量を測るスタッフ=2015年10月、福井県小浜市

 原発を抱える自治体が丸ごと避難を強いられた東京電力福島第1原発事故。過酷な経験から5年、原発の「縮小」「全廃」を求める首長は、全国の3分の2に達した。原発事故への不安は収まらず、市町村は防災対策づくりに悩む。再稼働を認めた自治体もトラブルにいら立ちを隠さない。
(1面に関連記事)

 ▽重点区域

 「国は責任を持って立地地域と国民に理解を得る必要がある」―。原発立地自治体の中で唯一「将来的にゼロ」の選択肢を選んだ新潟県柏崎市の会田洋市長は訴える。市から隣の刈羽村まで東京電力柏崎刈羽原発の7原子炉が並ぶ。福島の教訓が十分、生かされたのか。再稼働への不安はくすぶり続ける。

 原発事故後、国は原発から30キロ圏内の135市町村を対策重点区域に指定し、避難対策を進めている。しかし原発周辺自治体の安堵(あんど)感は、アンケートの回答からは伝わらない。

 昨年8月、事故後の新基準に基づき再稼働した鹿児島県の九州電力川内原発の重点区域では9市町のうち4市町が「市民の安全が最重要」(いちき串木野市)として「全廃」を譲らない。静岡県の中部電力浜岡原発の区域でも「南海トラフ巨大地震の震源域に多くの周辺人口を抱えている」(牧之原市)と再稼働に慎重な声が上がる。

 ▽門前払い

 昨年4月、国の指針が改定され、30キロ圏外は事前の避難計画の対象外とされたことも混乱を呼んでいる。関西電力高浜原発から30・9キロの京都府京丹後市は、指針が改定される前に、市の地域防災計画に原発対策を盛り込んでいた。「いきなり国が逃げなくていいと言い出したも同然」と中山泰市長は話す。

 昨年7月、大津市長らとともに原子力規制庁に指針見直しを申し入れたが、担当官に「科学的知見に基づく結果」と門前払いされたという。中山市長は「自主的に避難計画をつくっても国の指針が足を引っ張り、避難先の自治体が見つからない」と不信感をあらわにする。

 ▽実効性

 高浜原発の再稼働に同意した高浜町の野瀬豊町長は1月、「資源の少ないわが国で原発は一定の割合で必要」とアンケートに答えていた。しかし2月、4号機はトラブルで停止に追い込まれる。「早急に原因究明し、慎重な運転をお願いする」とのコメントを出し、沈黙を守る町長の心中を、町関係者は「裏切られた思い」と察する。

 昨年12月、町を丸川珠代原子力防災担当相が訪問し、国主導で広域訓練の構想を進めることを確認したが、年度内の着手は見送られていた。高浜町に隣接するおおい町の中塚寛町長は立地自治体として原発推進の立場だが「訓練を通じて(安全確保の)実効性を高めていかないと駄目なんだが」と苦渋をにじませる。

 松江市は県庁所在地で唯一となる中国電力島根原発を抱える。松浦正敬市長は、依存度を低減させるべきだとした上で国のビジョンが見えないと嘆く。「使用済み核燃料をどうするのか。市外に持ち出す計画にしないと了承できない。ここに置き続けることだけは勘弁してほしい」と注文を付けた。


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