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重り1・8トン衝突させ震動計測 廃炉の美浜原発2号で異例の試験

  • 2016年3月5日
  • 09:46
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 関西電力が、原則40年の運転期間を延長して再稼働を目指す高浜原発1、2号機(福井県高浜町)と美浜3号機(同県美浜町)の審査に向け、耐震評価に関するデータを得るため、廃炉を決めた美浜2号機で実証試験を3月中に計画していることが4日分かった。原子炉格納容器内にある蒸気発生器に1・8トンの重りを“鐘つき”のように振り下ろして衝突させ、振動を計測する。原子炉周辺の実機で打撃試験を行うのは極めて異例。廃炉原発でのデータを延長運転に生かす考えだ。

 高浜1、2号機と美浜3号機の原子力規制委員会の審査は現在、想定する地震の揺れを大幅に引き上げたことに伴い、原子炉周辺の耐震評価が焦点となっている。関電は「より詳細な評価を行う」として新たな耐震関係の評価手法の導入を検討。新手法が妥当だとするデータを審査で示すため、計画では実証試験を行い4月末までに結果を提示する。

 廃炉を決めた美浜2号機での打撃試験もその一環で、参考データとして新手法の妥当性の立証に使いたい考え。試験は、蒸気発生器(高さ約20メートル、重さ300トン超)の上部付近に打撃装置を設置。重量1・8トンの重りを振り下ろし、2次系側出入り口のマンホール部分に打ち当てる方法を検討している。蒸気発生器など周辺設備の「減衰(揺れの収まりやすさ)」の数値を確認するという。

 2号機は廃炉が決まったとはいえ、蒸気発生器内には1次冷却水の3千本以上の細管があり、放射線量も高い。安全面が心配されるが、関電は「試験は2次系側で、重りを振り下ろした際にかかる力は(当たる部分の)マンホールの強度を下回っていることを確認しており、安全上問題ない」としている。

 関電が計画する原子炉周辺の実機を使った大がかりな打撃試験に、県内関係者は「これまで聞いたことがない」と驚きの様子。規制庁の担当者も「廃炉原発の有効利用なのか、過去に事例はあまりない」とした上で、「まだ構想を聞いている段階なので、実機の安全性を含め具体的な検討内容を見ていく」と話した。

 岡崎正和・長岡技術科学大教授(構造工学)は「実際のプラントを使ってデータを得ることは普通はできないので、前向きなチャレンジは評価できる。ただ揺れの収まりやすさの数値は、構造物の配置や数が違う(高浜1、2号機などの)別のプラントに直接適用もできないので、立証の仕方に注意が必要」と指摘している。


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