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美浜町、「原発の町」リード狙う 中間貯蔵施設の行方(上)

  • 2004年7月15日
  • 18:19
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中間貯蔵施設の誘致推進決議案を賛成多数で可決した美浜町議会=2004年7月14日、福井県美浜町の同議会議場
中間貯蔵施設の誘致推進決議案を賛成多数で可決した美浜町議会=2004年7月14日、福井県美浜町の同議会議場

 「美浜原発の運転が止まれば影響はあまりに大きい。町としても二○一○年ごろまでに操業できるよう最大限の努力をしていかねばならない」

 二〇〇四年七月十四日の福井県の臨時美浜町議会で誘致促進が決議された使用済み核燃料の中間貯蔵施設。採決を前に賛成討論に立った議員は、先月の山口治太郎町長が誘致表明した際と同様の理由を口にした。

 原発との”共生”を強調しつつ危機感をあおるような発言の裏には、他地域にも動きがある中で、誘致合戦をリードしたい「原発の町」の思惑が色濃く表れている。

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 関西電力の三基の商業炉を抱える美浜町は、町民一万一千人余のうち約一割が原発にかかわる。町財政で税収の七割は原発関連収入だ。半面、漁業、観光といった産業は衰え、高齢化が進む。頼みの原発も高経年化し、廃炉問題が視野に入り始めている。原発が立地する県内四市町で唯一、地方交付税に頼り、財政基盤は決して強くない。

 一方、電力業界が現在頭を抱える大きな課題は使用済み燃料の搬出先。建設がずれ込み続ける青森県六ケ所村の再処理工場は試験運転の認可が下りたばかりで、しかも全量を再処理はできない。全国の原発の貯蔵プールには燃料がたまり続け、最悪の場合には運転がストップしかねない。

 そんな中で中間貯蔵施設は浮上した。

 燃料を全く搬出できない場合、美浜原発のプールは一○年にも満杯になるとされる。中間貯蔵施設の操業を目指す時期とちょうど重なる。

 安定的な交付金が見込める施設誘致を目指す上で、地元原発を「守る」との論理を町関係者が前面に押し出すのもそういう理由からだ。

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 美浜町が名乗りを上げれば最有力候補に躍り出る―との見方は、早くからささやかれていた。

 原発が立地して三十年以上がたち、町民には原子力施設に対するアレルギー反応は薄い。

 これまで「県外立地」で検討してきた関電にとっても、場所探しが難航する中、美浜町の誘致表明は”渡りに船”と見えなくはない。

 候補地の一つとされる和歌山県御坊市では六月末、市会内に特別委員会を設けて調査、研究を本格化させた。県内では小浜市会が促進決議をしている。それでも「原発で長くお世話になっている」(関電幹部)立場を比べるなら、「美浜が最有力という見方は自然なことだ。表立った反対運動がないことが何よりも強い」と関係者は語る。

 しかし、綱引きは簡単に決着する状況にはなさそうだ。

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 中間貯蔵施設の操業に向けては、立地調査や安全審査などの手続き、建設に五年程度かかるとみられる。一○年から逆算すれば既にタイムリミットを迎えつつある。そんな中で、財政難にあえぐ自治体が誘致を競うという図式だ。

 山口町長が誘致について「勉強したい」と初めて言及したのは小浜市会が論議を活発化させた昨年十二月。「(小浜のことが)気にならないと言えばうそになるが…」と話す通り、先手を打つように足早に誘致表明、町会決議へと突き進んできた。

 しかし、住民の理解がどこまで得られているのかは見えていない。県は、県外立地の方針を崩しそうになく、関電の対応もまた、現段階では不透明だ。


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